物語-STORY-

プロローグ-PROLOGUE-

2014年XX月XX日14時頃。

東京都渋谷区のデパート馬塁にて、買い物客・従業員合わせて25名が次々と意識を失うという不可解な事件が発生。
区内の病院へと搬送された人々は、数時間後には意識を回復するも、一様に記憶障害(記憶喪失)を起こしており、原因や事実関係の究明は難航している。
当日3階の催事場では日本全国の職人達が使用しているハサミ・のこぎり・カンナ等を展示販売する『巧みな匠展示会』が開催されており、目玉イベントである『時価150万円のワイン試飲大抽選会(期間中祝祭日各2名)』や『時価1億円の盆栽の展示』などが話題となっていた。
事件現場からはこの『時価1億円の盆栽』が持ち去られており、事前にデパートへ犯行予告が送られていた「怪盗Ω(オメガ)」(手口やターゲットがニッチな事で有名な窃盗の容疑者)による犯行であると考えられている。
そして事件の翌日、所持品から身元が判明して家族や近親者に連絡がつき、一通りの検査手続きを経て記憶障害以外については問題なしという診断結果が出た人々については退院の許可が出る。

それから数日後。

そもそもそれらが本当に自分の記憶なのかどうかも定かではない。
刑事が事情聴取に来たり、どこから調べたのかマスコミや宗教や訪問販売が来たりという、何かと煩わしい日々を過ごすアナタの元に、病院からカウンセリングを紹介するハガキが届いた。
事件当日に同じように記憶を失った者同士で話をさせ、お互いの記憶を刺激して記憶を復元させようという試みらしい。
そのハガキに書かれたURLをパソコンに打ち込み、アナタはとあるメンタルクリニックにカウンセリングの予約を入れた。

アナタの記憶は戻るのだろうか?

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